「ひきこもり主婦」というのは聞いたことがあるようでないような不思議な響きを持つ言葉に感じます。
私がばついちになったのはそこに原因があったような気がするからです。
「あったような気がする」というと曖昧な響きに感じるでしょうけれど、あえて曖昧にさせてください。
明言を避けている?
そうとも言えますし違うとも言えます。
4分の1が主婦。50万人超とも言われるひきこもり女子に居場所が必要な理由
「メディアが取り上げる引きこもりは、自分の部屋の片隅で三角座りをしている気弱な男子というイメージ。自分のような女性の存在が可視化されることはありませんでした」https://t.co/vNDirOwswI
— BusinessInsiderJapan (@BIJapan) 2018年8月4日
私の場合、いつの間にか誰もいない自分だけの世界にはまり込み、周囲が真っ暗になっていたことは確かでした。
気が付けば周囲に誰もいなかったような気がしたことが、愛犬ぱぴを連れて、この札幌に戻って再び独身生活をスタートさせる原因になりました。
そう、引きこもり専業主婦だったのです。
子供のいない専業主婦生活は知らぬ間に孤独に陥りやすい
子供のいない主婦にもいろいろな事情があり、また、当人の受け止め方や行動の仕方はかなり違ってくると思います。
デリケートな問題としてあまり触れてほしくない人もいるでしょう。
だから、当人も周囲も扱いが難しい問題かもしれません。
たとえば……
全ての子供のいない主婦が同じ状況ではない
最近は結婚年齢が上がっているということもあり、子供がいない、あるいはなかなかできないカップルは増えているでしょう。
けれど、それでもやはり全体の中ではあまり多くはありません。
都会でなければ、あちこちにたくさんそういう女性がいるわけではありません。
結婚したカップルの中では子供のいないカップルというのは、やはりマイノリティーと言えるでしょう。
そして、子供がいない理由もそれぞれ違います。
子供ができないカップルもいれば、数は少ないけれどあえて作らないことを選ぶカップルもいるでしょう。
私などは後者のほうでした。
つまり作らないことを選びました。
理由は故元夫がかなり年上だったからです。
さらに、自分には子供はいるけれど、自分は親権を取れなかったので、見た目は子供のいないシングルとか結婚経験のあるシングルに見えているという人もいるでしょう。
つまり、子供のいない女性というのはその人によってかなり状況が違うと考えてよいでしょう。
要するに、現状が自分と近い人があまり周囲にいないので孤独を感じている人が多いというのは否定のできない事実だと思います。
少なくても私はものすごい孤独を感じていました。
先の展望もかなり違うパターンが多い
私たちは皆、それぞれ個性がある人間であり、状況も全然違えば、性格もそれぞれ違います。
かなり明るい展望が見えている女性もいれば、そのままではお先真っ暗とはいいませんが、何らかの工夫が必要だと思われる女性もいるでしょう。
また、器用な女性もいれば、手助けをしてあげたくなるくらいに不器用な女性もたくさんいるでしょう。
つまり、現状も違うけれど、現状で見渡せる将来も違っているわけです。
ただし、将来のことに関しては、時間があるので、今後対処していける要素はゼロではないはずです。
ですから、気持ちが揺らぐならば、よい人間関係や、よいアドヴァイザーに恵まれるようにするべきでしょう。
相談できる相手がいないから孤独になる
とにかく、周囲に本音を相談できる相手を見つけにくいのが専業主婦ではないでしょうか。
ご主人がやさしい方であっても、社会人としてちょうど仕事で忙しい時期で、妻の悩みにまで親身になる余裕はなくても不思議ではありません。
ちょうど、出世競争で最後の勝負をしている時期かもしれません。
家族に良い暮らしをさせたいと思って、一生懸命頑張ってみているのかもしれません。
だから、ひとりぼっちの専業主婦はポツンとより孤独になっていく可能性はとても高いです。
どこにも自分の居場所を見つけられず、家族がいるのにひとりぼっちになっているということが起きてしまいます。
でも、今はネットというものがあり、そこでよい出会いをすることができた人はラッキーでしょう。
逆に顔が見えない、知らない人だからこそしやすい相談というのもあるのは事実です。
そんなに簡単に自分にとって相談しやすい人や、いるだけでも楽しい人が見つかりはしないかもしれません。
けれど今はコミュニティもたくさんありますから、匿名で色々渡り歩けば、自分と同じような状況の女性もいると思います。
探してみたらいいと思います。
ちょっとした居場所が見つかるかもしれません。
自分が属せるコミュニティーがないという現実
主婦は子供が生まれると、ママ友ができます。
ママ友なんていう面倒な関係を実はあまり望まない人もいるかもしれません。
しかし、同じ産婦人科で普通分娩ができなかった女性同士、仲良くなり、その後ママ友としてお付き合いが始まることもあるようです。
そして、その後も、公園デビューなどで徐々にママ友が増えるようですね。
つまり、ママになれば属するコミュニティーができてしまうようです。
その中には、やはり仲良くなれる人もいるでしょうから、面倒ではあっても孤独にはなりにくそうです。
子供のいない専業主婦にはママ友を通じての出会いがない
ひとりママ友ができれば、そこからずるずると繋がっていけるママも多いかもしれません。
ところが、子供がいない場合、この出会いがありません。
つまり、自分から積極的に参加できるコミュニティーを探して入り込まなければ、自分だけどこにも属すことができないのです。
そして、変化がないし、気が付くと、自分の居場所がない感じがするのです。
不思議ですよね。
だれからも居場所を奪われていないのに、居場所がなくなるなんて……。
この寂しさは私自身よく知っています。
この対処法は、あくまでも私の場合ですが、これはまずは開き直るのがよいと私は感じました。
実際に子供を作らないことに決めたとしても、周囲に「子供は作らないことに決めたんです~」などというと強がりに聞こえるかもしれません。
また、他人は無責任に自分の都合のよいように想像するものです。
そんなこといちいち気にしなくてもいいですし、必要以上のことをわざわざ自分から言う必要もないと思います。
また、聞かれても正直に全てを答える必要など全くないでしょう。
それ以上のことは言わず、別の属するコミュニティーを探したらよいのではないでしょうか。
習いものを始めるとか、パートにでるとか、派遣会社に登録してみるとか、いっそのこと正社員の仕事を探すとか、自分の属する場所を探してみてはいかがでしょうか?
ただし、ひとりが好きな人は思いっきりひとりを楽しんでください。
ひとりが好きだという人、ずっとひとりでいても大丈夫だという女性も少なからずいらっしゃると思います。
ただし、長期的にひとりが長くなる場合、自分の状態を自分でよくチェックしてあげないといけないと思います。
そうした上で、今、ひとりを楽しんでいる方はそのまま思う存分楽しんでください。
ご主人がいてもひとりぼっち!結婚してより淋しくなった?
現実問題として、「ご主人がいてもひとりぼっち」という状況はすぐには変わらないことが多いと思います。
ですから、その状態は長く続くと思っておいてよいでしょう。
それで、何か取り残されたような気分や、淋しさなどを感じているのであれば、動きやすい自分が動くほうが手っ取り早いです。
このような女性の気持ちというのは、やさしいご主人でもわからないことが多いと思います。
逆にそういう女心がよくわかるのであれば、かなり女心がよくわかる、いわゆる女性の扱いに慣れている男性なのかもしれませんね。
あるいは女性心理について勉強したことがあるのかもしれません。
結婚したからといって、そして、その相手がどんなにやさしい人だからといって、自分のことを全てわかってくれ、自分のためになんでもやってくれるわけではありません。
そんなことはわかっているはずなのですが、孤独というのは人を偏らせてしまうのかもしれません。
冷静になりましょう。
田舎のほうが孤独になりやすい部分があるかもしれない
田舎の人はやさしい人、暖かい人が多いかもしれません。
しかし、だからといって、全ての人にとって絶対にやさしい環境であるとは言えません。
なぜなら、人が少ないので、少し一般的なレールから外れている人に慣れていない人が多いからです。
それでも、今はテレビや雑誌の他、ネットで色々な情報が広がっていますので、自分の周囲にはいないような人もたくさんいるということは知識では知っている人が多いでしょう。
それだけでも、生きていきやすくなっているのではないでしょうか。
周囲は年齢の高い人が多い
田舎に住んでいる人は年齢が高い人が多いというのは、田舎出身の人であればご存知でしょう。
田舎には仕事がないということがあったり、より良い仕事を見つけたいということがあったりで、若い人は都会に出て行ってしまいます。
ですから、残っているのは中年以上の方になってしまっているという状況は田舎では珍しくないでしょう。
自分と同じ年齢くらいの人が周囲にあまりいないかもしれません。
子供ができても自分は他のママよりもかなり年齢が高かったりする
田舎、というか、地元で結婚をして子供を産んで……という人は、わりと若いお父さんやお母さんになっていることが多いです。
ですから、少し年をとってから結婚をした人の場合、周囲のママ達よりもかなり年齢の高いママになってしまうこともあるでしょう。
高齢出産のママがあまりいないかもしれません。
その場合は若いママ達と仲良くなるしかありませんね。
それはそんなに難しいことではないかもしれませんけれど。
私たちの時代の男性は今の時代の男性とは違う
今のご時世、これから結婚をしようという男性の中で「自分は一家の大黒柱になりたい」などと思っている男性はどのくらいいるのでしょう?
上記の私の表現には決して変な意味はありません。
今は夫婦二人で共稼ぎをしながら生活をしていくのが普通です。
ただし女性の中にはキャリアを追及する女性と、本当は望んでいないけれど家庭のために共稼ぎをしていくであろうという女性の2種類いるでしょう。
いつの時代も、専業主婦になりたいという女性はいると思います。
そして、これからもいなくならないのではないでしょうか。
人生は長くなり、定年も遅くなっていくのですから、専業主婦の時代を作りたいという女性がいても不思議ではありません。
「男は大黒柱として……」などという言葉を口にする男性は多かった
時代の違いを感じるのですが、私がいわゆる結婚適齢期くらいの時には結婚後は専業主婦になることを望む男性が多かったです。
専業主婦になってくれない女性とは結婚したくないとはっきりと言うくらいの男性もいました。
女性にはお家の中のことと、子供たちをしっかりと守ってほしいなんていうことをいう男性は多かったと思います。
私の故元夫もそうでしたが、結婚後の女性が外で働くのを嫌がっていました。
家族にご飯を食べさせる生活力もないと思われそうなのが男としてはとても嫌だ、耐えられないと言っていました。
ですから、私はたとえパートやアルバイトであっても、仕事に出かけることは容易ではありませんでした。
そういう時代だったのです。
変ったよね~……
より生きやすいように変わっていけばいいね
どんなふうな感じが生きやすいかっていうのも、時代によって変化するんだろうね~
画一的な変化にならなければいいよね~
そして、そのせいで、結婚後の女性は家庭に落ち着いてしまうことが多かった感じでした。
しかしながら、当時とは経済状況が変わってしまっています。
50代後半、そして60歳前後の女性も今はたくさんパートに出始めています。
バブル時代を楽しんだ方も、今はたくさんいるパートのおばさんの中にいる感じです。
そのような方も、見るからに楽しそうに働いている方もいらっしゃりで、なんとなく気持ちがわかる気がします。
専業主婦は引きこもりになりやすいですからね。
家族がいても、その家族はそれぞれ自分たちの環境での時間が長くなります。
また、はやくに親元を離れる子供もいれば、なかなか帰ってこないご主人もいるでしょう。
専業主婦は気が付くと家の中でひとり、ポツンとしている人が少なくないと思います。
私自身がそうでしたから。
それで、いつの間にか専業主婦は自分だけひとりで取り残されていることがあると思います。
私の場合は「淋しい……」と感じていたことが多々ありました。
でも、淋しいなどと言えず、どんどん自分の世界にこもってしまって……。
結婚生活というのはなんて淋しいものなのだ……と思ったことも多かったです。
さらに、子供もいない私は、なんだかどこにも居場所がなかった気がしたこともありました。
気が付かないうちに、いつの間にか少しずつ標準から外れていっていた、という感じイメージできますか?
私の場合はそういう感じでした。
そして、きっと、そういう女性、数は少ないけれど、いつの時代も中にはいると思います。
多くはないけれど、確実にいると思います。
いつの間にか、ご主人との距離ができていることもあるでしょう。
要注意な女性群だということを知っておかないと、取り返しのつかない事態に陥ってしまうかもしれません。
今ほどイクメンとかは多くはなかった
そして、そういう変な男気があった時代でしたから、逆に育児には今ほど協力的ではなかった気がします。
私が20代30代くらいのころは、イクメンとか、カンガルーパパとかは見かけませんでした。
子育てと料理は女性の仕事と思っている男性が多かった気がします。
専業主婦になるのを望む男性が多かったです。
もちろん、全員というわけではありません。
あくまでも、自分の周囲でのお話しです。
それが今なら、パパが子供を病院や託児所に連れて行っている姿も普通に見かけます。
パパが子供を抱っこしながら、買い物をしている姿も見かけます。
そして、産婦人科では女性と一緒に不妊治療と思われる科に一緒に行っている男性も結構見かけます。
今の男性のほうがやさしいのでしょうか?
そうではなく、時代の変化とともにやさしさの質が変化したのでしょう。
夫婦共稼ぎが当たり前の時代だから、家の中の仕事も同じくらいに割り当てないと不公平だというのはわかります。
私たちの世代の女性、そして少し後の時代の女性は共稼ぎをすると、女性側の仕事が増え、大変になると思っていた女性が多かったというのは否定できません。
そういっている人が実際に周囲にいましたから。
だから、今の男性はもう少し家庭内に目が向いているのかもしれません。
女性にとってはちょっと生きやすくなったのでしょうか?
今の女性でないのでよくわかりません。
ただし、それは共稼ぎの場合であって、専業主婦であればまた状況は違うのかもしれません。
このご時世、専業主婦そのものが少ないとは思いますが。
そして、専業主婦が知らず知らずのうちに引きこもり状態になり、なんとなく輝きを失っていくというのは健全な状態ではありません。
気が付けば孤独になっているというのが引きこもり専業主婦の姿であると感じます。
それは避けるべき状態ではないでしょうか。
外に活躍の場を求めてみるのもよいアイディアです。
引きこもり専業主婦を経験してのあとがき
私の場合は引きこもり専業主婦の終わりが、専業主婦の終わりではなく、結婚生活の終わりとなってしまいました。
今となっては「もっとどうにかできなかったのかな……」なんて思うこともあります。
もちろん、前向きに「ひとつの役目、修業が終わった」との解釈もできます。
しかしながら、私の場合は離婚後2年くらいで元夫が亡くなってしまっています。
お互いにすれ違いながら、大きく線路を踏み外してしまったのかな……と思うと、やりきれない気持ちになることはあります。
後悔は先には立たない、ということを実感してしまう出来事となりました。
人生は自分で思っているよりも短いかもしれません。
できるだけ後悔が少なくなるような生き方をしたいものですね。
また、マイノリティーではあるかもしれませんが、そういうわかりにくい引きこもり女性もひっそりと生きているかもしれないということは忘れないでいたいことです。
今、ひそかにひきこもり主婦になってしまっていて、ちょっと悩んでしまっている方に忘れないでいただきたいことは、居場所はまずひとつ、自分の中にはありますから、そこを見逃さないでください。
そして、そこにはいてあげてください。
まず、自分だけは自分を理解してあげられますので、自分を居させてあげましょう。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。