現在、私の仕事仲間に猫好きな美しいシングルの美女がいます。
彼女が猫好きで、そして、実家で飼っている猫がうちのぱぴと同じ腎不全を患ってしまったという話しを聞いてしまったからでしょうか。
私の夢の中に猫が出てきました。
その猫とは、もうかるく10年以上は見ていない、地域猫という分類に入れようと思えば入るのかもしれないといった感じの大猫です。
色は結構明るい茶色でした。
黄色というより、黄土色みたいな色の猫でした。
その猫がダンボールから顔を出して、私の頭の中である程度ズームインしている最中に目が覚めました。
5棟あるアパートを行き来して生活していた茶色の大猫
このアパートは3階建てで、各階10軒、あるいは5軒がぎっしりと住んでいる大きな鉄筋のアパートでした。
それが5棟もありましたので、ちょっとした団地という感じでした。
私には、そこに借り上げ社宅として住まわせてもらっていた時代がありました。
要するに、同じ会社の人も側に住んでいるタイプの社宅です。
量端に外階段があるタイプの建物で、その階段の踊り場にダンボールが置いてありました。
その晩ボールの中には暖かそうなマフラーとか毛布が置いてありましたので、猫の寝床を作ってあげている人がいるのだとすぐわかりました。
ただ、不思議と、エサ用の容器が置いてあるのは見たことがありませんでした。
そして、そこに住んでいる期間が長くなるにしたがって、時々、茶色い猫が丸まって寝ているのを見る機会も増えました。
そこは北海道ですが札幌よりも冷える所なので、猫が外で冬を越すというのは決して楽ではないでしょう。
だから、雨、風、そして雪をしのげて、ふあふあした暖かいベッドは居心地よかったのではないでしょうか。
誰が面倒を見ているのかはすぐにはわかりませんでしたが、そのうちわかりました。
中学生くらいの女性が「〇〇、おいで」と呼んでいたのを発見しましたから。
その名前はすぐに忘れてしまいました。
がっしりとした茶色の大猫は老猫には見えませんでした。
住人がいなくなっていく中でもしっかりと面倒を見てもらえていた大猫
そのままの状況が続き、その猫が穏やかに寿命を終えることができれば、まあまあ幸せだったと言えるのではないでしょうか。
もちろん、ちゃんと人に飼われて、生きやすい環境を整えてもらえれるほうがベターでしょう。
とはいうものの、もともと野良の子の場合は室内外にしようとしても外に出たがるとも聞きます。
が、外に出してもちゃんと帰ってきて、猫も年齢とともに大人しくなって家の中で暮らしてくれるようになるのが、猫にとっても、そして人にとってもハッピーな気がします。
そこまでハッピーではなくても、地域猫のように多くの住人に守られていれば、全くの野良ちゃんよりは楽に生きられる可能性が高いでしょう。
しかし、残念ながら、そういう状況は続かなかったのです。
その理由は、その団地は5棟全て取り壊すことが決まっていたからです。
私が住み始めた時には既にこの団地の取り壊しの話しがあり、あと3年くらいしか住めないけれど、その間は住んでもいいということで住まわせてもらうことにしたのです。
ですから、私が住み始めた時には既に住宅を購入したりして、引越す人が出始めていました。
大猫を手なずけていた女の子とその家族は最初辺りに引っ越して行った
その大猫は、犬を連れて歩いている私の側にはきませんでした。
が、ものすごく人に慣れているというのは一目瞭然でした。
かなり大きくて、あまりきれいな猫ではありませんでしたが、人懐っこいので、たくさんの人に懐いていたのだと思います。
しかし、取り壊しが決まっている団地から、例の女の子の一家はとても早い時期に引っ越していってしまいました。
そして、階段の踊り場を見ると、段ボールの猫ベッドは置いたままでした。
そのままありました。
もちろん、その後もその大猫は見かけました。
私は「猫、どうするんだろう?他にも面倒を見ている人がいるのかな?」と、時々遠くに見かける猫を見ながらも思ったりはしていました。
私は既に犬を2匹飼っているし、猫までも面倒を見てあげられそうにはなかったので、ノータッチでした。
時々見かける大猫はその女の子の家族が引越してからも痩せることもなく元気そうでした。
そして、隣の棟で面倒を見ている人がいるような噂を聞いたりもしていました。
なるほど、なかなか賢い猫だ~と感心していました。
そんな感じで、エサをくれる人が引っ越していっては、また新しい人がエサをあげていました。
ある時からある家の前に、水の入った容器とか、キャットフードらしきものが置かれるようになる、という状況でした。
その容器を見つけては「次はあの人が面倒をみているんだ!」と思って見ていました。
しかし、段々と状況は苦しくなっていきます。
次から次へと引越して行ってしまい、ぼっちで取り残される大猫
刻々と時間は過ぎます。
何となく聞いていた退去猶予がだんだんと迫ってきます。
取り壊しの1年くらい前には、団地の住民全員が団地から退去する期限がはっきりと告げられました。
私などは退去の順番が最後のほうでした。
どんどんどんどん引越していくので、ちゃっかり、一番よく利用されている引越し業者をチェックしたりもしていました。
そして、住人全員が退去した棟から順番に取り壊され始めました。
私の住んでいた棟は、のん気な人とか次に住む住宅を見つけるのに手間取っていたとかが多かったみたいで、5棟のうち、取り壊しは最後から2番目になっていました。
ぱぴ、この団地大好きだったんだよね!
そうだね、ぱぴは引越しの時、いじけていたもんね。
先住犬のクリームお姉ちゃんは引越し慣れしていたから平気だったのに、ぱぴは引越しを結構拒んだんだよね!
ぱぴはお引越しがキライ♪
で、どんどん団地が壊されて行くので、団地全体を行き来していたらしい猫は私の住んでいる棟に来ることが多くなりました。
エサをくれる人がいよいよいなくなってしまったようです。
猫の安住の場所もどんどん破壊されていき、好きな人はいなくなり……で、かわいそうでした。
女の子のファミリーが出て行ってから、何人かの人が、可愛そうな猫を見て、同じように感じてせめてお水とフードくらいはあげたいと思って与えてきたのでしょう。
ひょっとしたら、住人同士でちょっとしたやりとりがあって、猫の面倒を見られる人が見られる時まで見てあげよう!という感じになんとなくなっていた可能性もゼロではないですが、私はお付き合いがなかったのでよくわかりません。
私の隣の人がお水や生魚などをあげていたのは見ました。
ただし、キャットフードを食べ慣れている猫のようで、魚は食べないで残っていました。
不衛生な状態のまま放置していた隣人を見て、引越し先ではこういう人が隣人にならないことを祈りました。
隣人さんは釣りが趣味だったようだよね。
段々といつも大声で鳴きながら何度も家の前を行き来するようになった大猫
大猫は、人の動きのある時間帯にはそれはそれは大きな鳴き声で鳴きながら、アパートの前の外廊下を何度も何度も行ったり来たりするようになりました。
猫ってこんなに鳴き声大きかったっけ?というくりあ大きな鳴き声で鳴いて歩くようになりました。
大雪の日でも、雪の上を歩いていました。
2棟残ったアパートの1階から3階までをよく歩き回っていたようです。
最初に引っ越していった、あの女の子は猫のこと、思い出してあげることあるのかな……こういうふうになることは考えなかったのかな……なんて私は思っていました。
引越し先ではトイプー飼っているかもよ?
大きな理由として、元夫が犬は好きだけど猫はキライだったからです。
そして、私たちも引越しが決まっていました。
最後の一棟になったアパートのベランダの下のダンボールから顔を出していた大猫
私たちはこの団地の隣の町に引っ越しました。
ですから、それまで通っていたデンタルクリニックなどはこの団地の側のクリニックをそのまま利用しました。
それに、どこに行くのにも、この団地の周囲は通過するので、引越した後も時々、この団地のあたりを通りました。
歯医者帰りに懐かしさのあまり団地のすぐ側を通ってみた
ある時、私はこの団地の最後の棟がまだ壊されていない時にデンタルクリニックに通っていた時、懐かしくて、わざわざこの団地の側を通りました。
そうしたら……
いました!
団地のベランダの下にダンボールの箱があったので「もしや?」と思ったら、なんと、あの大猫が顔を出したのです。
もう、その団地には数か月以上人が住んでいなかったのです。
最後の住人が出て行ったのが、もう退去猶予のぎりぎりの時だったみたいで、冬になってしまい、取り壊しが間に合わなかったとかで、1棟だけ残っていたのです。
その誰も住んでいない棟の周囲であの大猫は冬を越したのでしょうか……。
きっとベランダ下は人は住んでいなくても、雨や風や雪はしのげて、猫にとっては多少なりとも生きやすい場所だったのだと思います。
だから、そこにダンボールの箱を置いてあげて、保温性を維持できるようにと考えた人がいたのでしょう。
その様子を見て、複雑な心境になってしまったことを思い出します。
あの後あの大猫はどこに落ち着いたのだろう?
その棟は数か月後に壊され、今はその団地のあった場所は全く別の場所のように、ステキなデザイン住宅のような戸建てが立ち並ぶ場所になっています。
以前の団地の面影もありません。
今の愛犬ぱぴはこの団地にいた時から一緒の子です。
このぱぴが今月16歳になります。
引越してからも、お散歩の時に何回か通ったよ、あの団地の所。
あの時は、クリームお姉ちゃんもいたね!
あの大猫は……。
私が最初に見た時にまだ1歳くらいの若い猫だったとしたら、今18歳とか19歳です。
北海道の場合、外で生活をする猫ちゃんですと、18年とか生きるのはきびしいと思います。
あの後、どこに行ってどう過ごしたのでしょうか?
その猫を夢で見ました。
まとめ
この大猫は私が知っている猫で、そして、実際に目に焼き付いているシーンが夢に出てきました。
今の職場で親子ほど年齢が違うのに仲良くお話ししてくれる女の子に猫好きがいて、猫の話しをした影響でしょうか。
夢を見ながら夢を見ている最中だと自覚していた時のお話しでした。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。